テスト前によくささやかれる言葉ナンバーワンがこれである。
「将来、数学がいったい何の役に立つの?」
中学校のテスト前はやらねばならない課題も多い。それを締め切り(テスト当日)までに仕上げねばならないのだから、中学生たちも大変と言えば大変だ。受験生は模試やら実力テストやらに加えて、部活動でも中心になって活動しているのだから、時間がいくらあっても足りないというのが本音だろう。
ところで、中高生が言うところの「何の役にたつのか」とは、つまるところ、「勉強の効果・効用」とは何かと質問を読み替えることができる。この勉強の効用は、大人になると分かるようになる。数学でも英語でも、自分がまだ知らない知識を学ぶということは、何かを身につける上での「作法(=方法論)」を学んでいるということと同義である。
昨年冬から作成をはじめたスイッチのホームページがやっと形になってきた。
時間をやりくりしながら、私はせっせとスイッチのホームページをつくっている。ホームページやコンピューターなどにはあまり関心がなかった私であるが、最近はコンピューター言語なるものを少しずつ勉強して、その仕組みや構成についての理解を深めている(つもりである)。
これまで学習塾の業務中心にて日々を過ごしてきた私には、はじめは謎だらけのコンピューター言語の学習であった(・・今もまだ謎だらけな部分がたくさんある)。
「ホームページってどうやって構成するのだろう?」
「コンピューターってどういう約束で稼働しているのか?」
当初、こんな素朴な疑問からスタートしたプログラミング言語学習であるが、現在、ホームページをいじるくらいには上達した。HTMLからCSSへ、そして現在、JavaScriptを習得している最中である。
これこそが、いわゆる「勉強の効用」である。
何かを知りたいという欲求をもった時、「難しそう・・」と、すぐにあきらめてしまうのではなく、習得のための具体的な道筋を調べ、身につけるための手段を知り、確実に知識を積み上げつつ実践していくことによって新たな知識が定着する・・・というステップそのものが学生時代に勉強を通じて身につけた「方法論」そのものなのである。
今後、将来的にプログラミング言語が本当に役に立つかどうかは分からない。それは、私自身がその言語を今まさに習得中だからである。中高生諸君も、今まさに勉強中・習得中という途上にある段階では、身につけようとするものの全体像が分からないため、その効果・効用が実感として分かりにくい。しかし、これまでの経験則に照らせば、習得が完了した時、自分自身の応用の仕方によっては大いに役に立つだろうことは想像に難くない。むしろ、若い諸君には、「これだけ苦労して勉強しているのだから、将来的に絶対に何かに役立ててやるっ!!」くらいの意気込みが欲しいところである。
ちなみに冒頭の生徒への回答であるが、私はこのように答えるようにしている。
受験生には →→→ 「来年の二月に人生の方向性を決める高校入試にて、数学は必要だ!」
1・2年生には →→ 「来年以降という『 将来 』に、高校入試という人生の大勝負で、さっそく数学は必要だ!」
実際に、受験という機会において、さっそく勉強は役に立つという点を否定する中学生はいないだろう。