「オレ、もうダメかも・・」
「不景気な顔して、どうした?」
「いや、受験だけど、この時期で合格ラインに達してないって、ヤバくない?」
「いや~これからだろ。特に大学受験の現役生は、秋冬に一気に伸びるパターンが多いからな。」
「でも、死ぬほど勉強できているわけじゃないし・・」
「じゃあ、ダメだろ。」
「いや、(勉強)してるよ。やっているけど、成績が上がっているって手ごたえないし・・。昨日も、休みだったのに、5時間くらいしか勉強してないし・・・。なんか、落ちる未来しか見えないから不安で、勉強が手につかないんだよね。」
「この時期の受験生は、みんなそうだな。あなた一人だけじゃなくて、みんなそうだろ。かくいう、ワタクシもそうであった。特に公募推薦やら、指定校推薦やらで、周囲がどんどん決まっていくと、自分だけが取り残される感でいっぱいになってしまうものなのだよ。」
「どうやって勉強した?」
「いつも通りのメニューを、いつも通りの時間で、愚直にこなしてたな。心理的にマイナス方向にぶれそうになると、いったん勉強を停止して、気分転換。体を動かす。昔ながらの筋トレをしばしの間、やってた気がするな。じっと座っているだけだとダメなんだよ。人は。時にはカラダを動かしてリフレッシュしないと。汗をかけば、気持ちがまた前を向く。そして、いつも通りの勉強メニューに戻る。やらなきゃいけないことをこなし続けることが大事だな。」
「汗かくの嫌いなんだよね。」
「アホか。汗をかいて、体内の老廃物をちゃんと外にだせ! だから、高校生男子は体臭がキツイんだよな~」
「塾長も加齢臭が気になる年じゃ・・。」
「オレは、大丈夫。授業前に風呂に入ってるから。オレはいつもシャンプーの香りしかしないだろ? さて、帰ってまた単語練習でもやれ!」
授業後には、生徒たちの「人生相談コーナー」に付き合うことも少なくない。まるで、心理カウンセラーばりの相談時間を割くこともあるが、これもまた仕事のうちであろう。
進路に不安を抱えているのは、受験生ならみんな同じである。どの受験生も、多かれ少なかれ、試験に対する不安はあるものだ。私もこれまでに、いくつもの試験を経験してきたが、自分に自信をもって完璧だと認識しながら受けた試験などひとつもない。一抹の不安を抱えながら試験にトライしてきた。でも、試験当日に至るまでに、やらなければならないことは全力でやってきたと断言できる。「勝負は時の運」とも言うから、ダメな時は仕方がない。縁がなかったと思えば良い。全力で準備すれば、どんな結果でも受け入れられるものだ。でも、怠惰な準備しかできなければ、必ず後悔することになる。だからこそ、今、この瞬間にやらねばならないことに全力で取り組もう!!